1. トップ > 
  2. スポーツコラム > 
  3. ビジネスインタビュー > 
  4. 【第17回】横浜FC香港/太田博喜「アジアのサッカービジネスの成功モデルをつくる」

スポーツコラム

このエントリーをはてなブックマークに追加

【第17回】横浜FC香港/太田博喜「アジアのサッカービジネスの成功モデルをつくる」

この記事は1年以上前に掲載しましたので、情報が古い可能性がございます。

「アジアのサッカービジネスの成功モデルをつくる」
横浜FC香港・代表 太田博喜
 

横浜FCが香港で展開するサッカークラブ「横浜FC香港」の代表を務める太田博喜さん。リクルートを退職してスポーツビジネス界に転身して以降、横浜FCの立ち上げにはじまり、サッカースクール事業や指導者派遣事業、横浜FC香港など、さまざまな事業の創設に携わってこられました。スポーツビジネスを立ち上げて軌道に乗せるまでの苦労やアジア展開の取り組み、今後の展望などについて存分に語っていただきました。

 

 

――まず太田さんがビジネスとしてサッカーに関わるようになったきっかけを教えてもらえますか?

 

子どものころからずっとサッカーをやっていましたが、高校2年の秋に膝を怪我してしまったんです。大学でもサッカー部に入りたかったのですが、怪我が長引いてドクターストップがかかり、やむなく断念。「ならば」と、華やかな学生生活に憧れてテニスサークルに入部したものの、お気楽でゆるい感じが性に合わず(笑)、すぐ辞めました。その後はサッカーサークルに入り、草サッカーを楽しむ学生生活を送ります。

 

大学卒業後はリクルートに入社し、とにかく忙しい毎日だったので、サッカーとは疎遠でした。でも大学時代に競技から離れたことで、逆にサッカーが好きになったんです。だから次第に「いずれビジネスとしてサッカーに関わりたい」と思うようになりました。30歳くらいのときには会社の早期退職制度を利用し、フットサルビジネスで起業しようかとう構想を描いたほどです。

 

転機は38歳のときにやってきました。リクルートOBの先輩から連絡があり、現在、横浜FCの親会社にあたる、LEOCの小野寺会長を紹介されたんです。話を聞きに行くと、「サッカースクール事業を行う会社(株式会社フィートエンターテイメント)を立ち上げることになったので協力してほしい」と頼まれました。小野寺会長は当時から、グローバル展開を視野に入れたスポーツビジネスを考えていました。「いまのサッカー界にこうしたビジョンを描く人はいない」と共感し、話を聞きに行ったその場で承諾したんです。2005年の出来事です。

 

 

――2005年にフィートエンターテイメントに転職されて以降、具体的にどのような仕事をされていたのでしょうか?

 

さまざまな事業の立ち上げに関わらせて頂きました。たとえば「横浜FC」を買収したあとのスタートアップを皮切りに、北海道札幌市を本拠地とするフットサルクラブ「エスポラーダ北海道」の立ち上げにも関わらせて頂きました。当時は東京を拠点に横浜FCのスポンサー営業を行いつつ、北海道に定期的に足を運びながらチームづくりを行い、2009-10シーズンからのFリーグ参入を実現することができました。

 

もちろん、フィートエンターテイメントの事業にも関わっています。創業のきっかけであるサッカースクール事業はもちろん、学校や企業と連携した指導者派遣事業のスタートアップにも関わらせて頂きました。

 

たとえば多摩大目黒中学校・高等学校のサッカー部は中高ともにプロの指導者が監督、コーチを務めています。この学校に指導者を派遣しているのがフィートエンターテイメントなんです。当社が指導者を送り出して以降、サッカー部が強化され、中学では2011年に全国大会でベスト8まで勝ち進みました。さらに中学高校に留まらず、系列の学校法人が運営する多摩大学にフットサル部を創設し、同じく当社から指導者を送り出しています。

 

これら学校との提携事業はすべてビジネスとして展開しています。指導者の派遣から選手のスカウティング、チーム強化、指導業務に至るまで、チームのコンサルティング業務を一括で受託しているんです。この事業のスタートアップも関わらせて頂くチャンスを頂き、今では、後任が、しっかり軌道にのせて、事業としては順調に進んでいます。

 

 

――まさに「立ち上げ屋」としてさまざまな事業に関わってこられたのですね。そんな太田さんは現在、横浜FC香港の代表をされています。

 

小野寺会長がフィートエンターテイメントを立ち上げた目的の一つは、実はJリーガーの受け皿づくりなんです。Jリーガーのセカンドキャリアを支援するため、引退後の選手が活躍できる場づくりとして、サッカースクール事業や指導者派遣事業を展開してきた経緯があります。しかし国内だけでは限界があるので、海外にその守備範囲を広げていこうと考えたのです。

 

そこで2011年からアジア進出の調査を開始し、シンガポールと香港が最終候補に挙がりました。最終的には日本と距離が近いという立地条件や環境面に加え、リーグの発展の可能性などを考慮し、香港への進出を決めたのです。ですが香港には誰も縁がありません。私が一人で香港に乗り込み、まず人脈づくりに重点を置き、サッカークラブ創設と香港リーグへの参戦を模索したのです。幸い、日本サッカー協会の小倉元会長から香港サッカー協会の会長を紹介してもらい、香港のサッカーチームを買収するかたちで1部リーグへの参入を果たすことができました。

 

2012年8月より、香港サッカーリーグ ディビジョン1に「横浜FC香港」として参入して戦いましたが、香港リーグ特有の難しさに翻弄された一年でした。というのも、香港リーグに所属するクラブの多くはオーナー依存型で、リーグ全体にクラブ経営という意識が根づいていないんです。ホームゲームでも主幹クラブが運営に関わりにくく、どのクラブも赤字経営が慢性化しているような状態です。チケット代も一律60香港ドルと格安で、リーグ構造を根本的に変えなければ黒字経営に転換するのは難しい。

 

そこで昨年、当クラブが先陣を切り、チケット代を100香港ドルにしてTシャツをプレゼントする企画を行ったんです。前例のないチャレンジで各方面から懸念が示されましたが、結果的に大成功を収めました。今後もこうした成功体験を一つずつ積み上げ、香港リーグの発展に貢献していきたいですね。

 

 

――では最後に今後の目標をお聞かせください。

 

まず横浜FC香港としては、チーム力を強化し、来季リーグで3位以内に入ること。そしてサッカービジネスという視点でいえば、アジアのサッカークラブの価値を上げていくのが目標です。

 

サッカークラブはさまざまな機能や社会的役割を担っているんです。たとえば社会貢献活動もそうですし、フィートエンターテイメントでやっているような学校とのマッチングビジネスもそうです。加えていえば、民間企業にとってもサッカークラブと提携するメリットは計り知れません。フィートエンターテイメントの親会社は、学校・病院給食や企業の社内食堂を展開するLEOCという会社です。このLEOCが横浜FCというサッカークラブを支援することで、ビジネスにおける人脈づくりに多少なりとも貢献できていると思います。まだまだ支援頂いている規模に対して、わずかですが。

 

しかし、サッカークラブを持つビジネス上のメリットを享受するためには、その前提としてサッカークラブの価値が高くないといけません。だからこそクラブの価値を引き上げ、アジアでサッカービジネスの成功モデルをつくりたいですね。

 

 

 

 


横浜FC香港は、香港のサッカークラブ。香港ファーストディビジョンリーグ所属。
詳しくはこちらからチェック!
http://www.yokohamafc-hk.com/ja/

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

グッズに関することでしたら、お気軽にお問い合わせください!

取引チーム

一覧はこちら

ページの先頭へ