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スポーツコラム

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第22回 自治体とプロスポーツチームのコラボ:栃木ブレックス等

2013年8月23日

この記事は1年以上前に掲載しましたので、情報が古い可能性がございます。

■9月の足音

 

大阪では相変わらず35℃超えの日々が続いているが、それでもセミの声に勢いがなくなってきたような気がする。今年は「クールビズ、クールビス」「節電、節電」と、あまりうるさく言っていないが、企業側に電力供給の問題がなければ、果たして節電の必要はないものなのであろうか・・・?今頃になって不思議に思っている。

 

 

■地域スポーツからプロへの移行過程

前回のスポーツマネイジメントコラムでは、サッカーを題材として取り上げ、一地域スポーツチームが徐々に実力をつけ、最終的にはJリーグを目指して、次第にプロ化を目指す過程を取り上げた。今回のコラムでは行政とプロチームとのかかわりについて、より具体的な実例を各方面からの取材により、取り上げてみたい。

 

 

■日本のスポーツ振興に関する法律

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のっけからカタい話になるが、日本国憲法の中には、はっきりと「スポーツ」という言葉を用いてスポーツの権利について述べられている部分はないが、憲法第13条(個人の尊重、尊厳・幸福の追求権・公共の福祉)の文言から判断すると、基本的人権としてスポーツを楽しむ権利が保障されていると考えられ、憲法第25条では「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障していて、その中には健康の増進に寄与するスポーツが含まれると考えられている。そして憲法第26条では、教育を受ける権利によって、スポーツ教育の保障が謳われている。

 

お隣の国、中国や韓国では、かねてより国を挙げてオリンピック選手を育てることが当たり前であったが、残念ながら日本はその点では立ち遅れてしまった。そもそも国が特別な能力を持った一個人を国費を使って支援するという考え方がなかったと思われるが、その意識が東京オリンピック前の法律ではっきりと読み取れる。

 

今では考えられないが、1964年開催の東京オリンピックが近づくまでは、「国及び地方公共団体は社会教育団体に対し補助金を与えてはならない」という法律があったのである。そのためスポーツ振興にお金を投入できず、オリンピックのチーム強化を行ううえで問題が生じた。そこで東京オリンピックの直前の1961年にスポーツ振興法が制定され、スポーツ振興のための補助金支出が堂々とできるようになったのである。

 

この法律は東京オリンピックの成功、国体の安定的な開催、スポーツ指導者の養成やスポーツ施設設備の促進に貢献し、約40年後に「スポーツ振興基本計画」が策定されるまで、指針の主役として生き続けることになった。

 

 

■自治体とプロスポーツチームのコラボ

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こうして、公の財源を使って個人を支援するシステムは確立されたが、それはあくまでもアマチュア選手に限られていた。その流れがここ10年ほどで急激に変わってきたらしい。地域社会が活性化する、つまり町興しの一環として地域密着型のプロスポーツが数多く誕生しているのである。日本は少子化社会となり、人口が東京都に一極集中している一方、都市部から少し離れるだけで過疎化が一気に進んでいる現状がある。何らかの特徴ある地域・・・、例えば魅力的な観光資源を持っているだとか、工業地として常に仕事があり人が集まるなどの要素がないと、どんどん人口が減ってしまう。これといった特徴のない地方都市にとっては、人が減って行く不安感や危機感は強いことであろう。

 

 

■栃木県の例

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地域密着型のプロスポーツチームが数多く集まる地域がある。栃木県である。サッカーの栃木SC、バスケットボールの栃木ブレックス、アイスホッケーの日光アイスバックス、自転車ロードレースの宇都宮ブリッツェン、同じく自転車ロードレースの那須ブラーゼンが、栃木県内をホームタウンとして活動している。もちろんプロチームなので、会社組織の形態は全て「株式会社」である。

 

なかでもバスケットボールの栃木ブレックスは2004年12月にチーム立ち上げに向けて活動し始めたチームで、JBL2初年度の2007‐08年シーズンで3位、2008-09年シーズンには優勝を飾っている。以前、栃木ブレックスの代表取締役であった山谷拓志氏とお会いしてインタビューさせていただいたことがあるが、その際に「地域密着型のチーム?そんなの当たり前なんですよ。」と事もなげにおっしゃっていたのが非常に印象的であった。

 

そして「チームの勝ち負けと収入は連動しない。」との言葉にも驚いた。チームが勝って順位が上がれば観客が増えそうなものだが、どうやらそれは素人の考えることらしく、山谷氏は、「コートの外での地域活動によって、ファンの心を掴むことができる。」と力強くおっしゃられていた。

 

プロ選手による子ども達を集めたバスケ教室の開催、お祭り等、地域イベントへの積極的な参加、福祉施設への支援等が、子ども達の心、地元の人達の心を捉えないはずはない。それこそ、単に試合を見せるだけのプロスポーツチームではなく、地域にしっかりと根を下ろし「子供達に夢を与える、地元になくてはならない存在」になり得るのだと思う。

 

 

■プロスポーツチームを税金で支えるのは是か非か?

では、当初の自治体の対応はどうだったのであろう。今でこそ宇都宮市は、市の保有する体育館の命名権を無償で付与し「ブレックスアリーナ宇都宮」としているが、発足当初は練習施設の確保にすら非協力的であったらしい。実績のない「一民間企業の」プロチームに貴重な税金を投入できないという事情は分からなくもないが、施設利用の優遇や人材の派遣、良い指導者、選手の誘致などは、自治体でもできる支援ではないだろうか。地域活性のために、自治体の協力は必要不可欠である。スポーツと行政は切っても切れない間柄であることは間違いない。

 

 

■ビジネスと文化の融合

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ヨーロッパサッカーは歴史も古く、チームのホームタウンに行けば、住民の生活の中にしっかりクラブチームが溶け込んでいる。文化としてスポーツが根付いているのだ。一方、アメリカのメジャーリーグは、完全なる利益追求型のスポーツビジネスと言えるが、もちろん地元に存在するからこその価値も大きい。どちらも成熟市場と言えるが、日本のスポーツチームもようやくそのノウハウが浸透し、追いついてきたのかもしれない。少子化の進む日本のあちらこちらで、スポーツで町興し・・・、人口が増えるかもしれませんよ、自治体のみなさま!!

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