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スポーツコラム

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第7回 スポーツ選手の確定申告 青色と白色の違い

2013年1月25日

この記事は1年以上前に掲載しましたので、情報が古い可能性がございます。

 

先日、爽やかな青年に取材でお会いした。私のかつての職場では、妙齢のオジサマ方(会社の社長さん)と接することがほとんどであったので、頭のてっぺんから爪先まで、100%スポーツ選手と話をする機会は、これが初めてであった。真っ直ぐな眼差しとブレない言動、そしてチャレンジ精神の塊・・・、彼へのインタビューの間中、清々しい風が吹いているように感じた。

 

インタビューの後、雑談ついでに毎年の確定申告はどう対処していたのか、ぶしつけを承知で尋ねてみた。すると、毎年、自分で書き上げて税務署に提出していたとのこと。しかも誰に相談することもなく!である。私なら面倒臭さが勝って、きっと何年も無申告のまま放っておいたに違いない。シーズン開始直前の大切な時期に、面倒な事から逃げず、きっちり自分でやる・・・、素直にすごいと思った。
 
ただ、誰にも相談せず済ませるには、確定申告はハードルが高いように思う。知らず知らずのうちに、不利な方法で申告してしまっている可能性が高い。日本の法律は何でもそうであるが、「知っていて当たり前」という考え方が前提となっているため、「自分に不利な申告をするのは本人の勝手、全ては自己責任」ということになってしまうのだ。
 
税法も然り。ややこしい文言を使って、わざと難解に作られているのではないか?と思うほどである。国税庁のHPを見ても、どれが自分に該当する項目なのか、見れば見るほど分からなくなるようにできている。
 
今回の会計コラムでは、インタビューさせていただいた彼の言葉からヒントを得て、少しでも有利な方法で確定申告をしてもらえるよう、「青色申告と白色申告の違い」について説明してみたい。
 
まず、税務署に何のアクションも起こさず確定申告した場合は「白色申告」扱いになってしまう。白色で申告しても決して間違いではないが、青色で申告すると、納税者は多くのメリットを享受できる。
 
まず経費を多く計上できる。例えば1月1日~12月31日までの売上高が1,000万円、必要経費が600万円のスポーツ選手がいたとしよう。青と白、ふたつの計算方法で比較すると
 

 
【 白色申告の場合 】
 
売上高 1,000万円 ‐ 必要経費 600万円 = 儲け400万円
儲け400万円 × 税率 20% - 控除額427,500円 = 納税額372,500円
(※税率20%の場合、はじき出された税額から一律427,500円控除できる。白でも青でもこの427,500円の控除額は同じである。)
 
これに対し、青色申告の場合、「青色申告特別控除65万円」というメリットを特別に享受することができ、必要経費として65万円を余分に計上することができるのである。
 
【 青色申告の場合 】
 
売上高 1,000万円 ‐ (必要経費 600万円+65万円) = 儲け335万円
儲け 335万円 × 税率20% - 控除額427,500円 = 納税額242,500円
 
白色申告の人の納税額は372,500円、青色申告の人の納税額は242,500円、同じ儲けの金額にも関わらず、双方の納税額には13万円もの差が出てくるのである。
 
現在の日本の所得税率は5%~40%まで、6段階に分かれて税率が決定するため、税率の高い人(高額所得者)ほど、白色と青色の違いによって納税差額のインパクトは大きくなる。レースで優勝して賞金を手に入れたりすると、簡単に税率がUPしてしまうので、早いうちに青色申告に切り替えておいた方がよい。
 
「あ、それじゃ今日から青色申告にしよう!」といっても簡単に青色申告にならないのが日本のシステムで、2013年分から青色申告にしようとすると、2013年3月15日までに納税地の管轄税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要がある。2012年分については提出期限が過ぎているため、白色のまま行くしか方法がない。2013年分から適用を受けようとするなら、2012年分の確定申告書提出と同じタイミングで「青色申告承認申請書」も一緒に提出しておこう。
 
二つ目のメリットは赤字の繰り越しができることである。昨年から青色で確定申告していたとしよう。昨年は運悪くケガでシーズンをフル出場できなかったため、50万円の赤字が出た。そして今年は130万円の儲け(黒字)が出たとする。 今年の儲け(黒字)は130万円 - 50万円 = 80万円 として申告することができる。 この赤字の繰り越しは、現在、3年間認められている。
 

 
三つ目のメリットは10万円以上~30万円未満の物品を購入した場合、購入した年の経費として一気に経費計上することができる。(本来は減価償却といって、数年に分けて経費化していく)
 
四つ目のメリットは、家族に給与を出した場合、経費にすることができる。この点については納税者側からは「そんなの当たり前じゃないの?」という声が聞こえてきそうであるが、税務署側の言い分から見ると、ダンナ(スポーツ選手)が稼いだお金をヨメに渡して、その金額を経費にするなんて・・・、それって単なる生活費を渡しているだけでしょう!生活費を経費にするなんて許さない!と考えるようである。青色を選択するとそれが認められる。
 
以上、大まかに4つのメリットをピックアップしてみた。
 
ここまで書くと非常に青色申告に気持ちが傾くと思われるが、もちろん無条件に青色申告が認められているわけではない。一定のルールに基づいて帳簿類を記録し、7年間保存しなければならない。


 

 
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・木村 仁美
・1970年10月1日生 大阪生まれ B型
・15年間税理士法人での勤務経験あり
・スポーツ業界は完全な素人&運動音痴
[趣味]
ハイキングと昼寝
[目標]
自分の経験を生かし、スポーツ業界で働くみなさんのお役に立つこと
台湾の阿里山に登ること

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