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スポーツコラム

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第30回 【愛媛県】「30分では語れない!!」小学生をファンに変える無料バスツアーとは?

2013年12月27日

この記事は1年以上前に掲載しましたので、情報が古い可能性がございます。

■愛媛県の位置と周辺環境

今回のスポーツマネイジメントコラムは、四国は愛媛県を取り上げたい。愛媛県と聞いてすぐに思い浮かぶのは果物のみかん、夏目漱石の「坊ちゃん」に登場する道後温泉ではないだろうか。もしくは「坂の上の雲」の主人公、秋山好古・真之兄弟と正岡子規の故郷として記憶されている方も多いと思う。

愛媛県は四国の北西に位置し、瀬戸内海側は温暖な気候だが、西日本最高峰の石鎚山(1,982m)を擁するため、内陸部は冷涼な気候である。また、愛媛県の瀬戸内側は大きな河川や湖がなく台風の直撃も少ないため、渇水に見舞われることが多い。

 

 

■愛媛県の人口とスポーツの分布

ウォーキング

愛媛県の人口は約149万人(2010年10月1日現在、国税調査より)、そのうち15歳未満人口が219,340人(14.6%)、15歳以上65歳未満人口が953,189人(63.8%)、65歳以上人口が320,078人(21.4%)世帯数は597,884世帯である。

愛媛県の人々が自ら好んで行うスポーツとしては、第1位のウォーキング・軽い体操、第2位のつり、第3位に水泳、第4位は器具を使ったトレーニング、第5位にバレーボールとなっている。

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■愛媛県を本拠地とするプロスポーツチーム

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愛媛県に本拠地を置くプロスポーツチームは次の2チームである。

 

・愛媛FC (松山市を中心として愛媛県全域がホームタウン サッカー・Jリーグ)

・愛媛マンダリンパイレーツ (同上 独立リーグ野球・四国アイランドリーグplus)

 

 

■松山市の公式支援チームは、愛媛FCと愛媛マンダリンパイレーツ

野球

 

まず松山市に電話をかけ、プロスポーツチームに対する支援について質問してみた。

 

松山市が公式に支援しているのは前述の2チーム、愛媛FCと愛媛マンダリンパイレーツであり、愛媛FCには2,000万円、愛媛マンダリンパイレーツには1,500万円出資しており、松山市は両チームの株主である。

 

それぞれのチームの資本金は、愛媛FC=2億850万円、愛媛マンダリンパイレーツ=3億円であるため、株式保有割合は愛媛FC5%、愛媛マンダリンパイレーツ9.5%となり、松山市は主要な株主であるといえる。

 

 

■愛媛FCに対する松山市の支援

松山市では、2012年度までは両チームに直接市職員を派遣し、チーム運営に携わっていたが、2013年度からは人の派遣のかわりに、集客支援とPR活動に力を入れるようになった。例えば愛媛FCに対しては市自らが、合計19台のバスをチャーターし、子どもとその保護者を無料でホームゲームに招待する活動を行っているのだ。

 

 

■市がサッカー観戦ツアーを組む

観戦

 

松山市が愛媛FCの主催試合のチケットを購入し、松山市民を招待するのだが、2013年6月8日の主催試合で試みたところ、約1,200人もの市民が集まったらしい。

 

事前に小学校に無料招待試合の通知を行い、参加希望者を募る。そして市がチャーターしたバスが、最寄りの小学校まで子ども達と保護者を迎えに来て、試合を楽しんだ後は、再び最寄りの小学校まで送り届けてくれる、丸ごとお楽しみのツアーなのである。

 

試合会場に直接足を運んでもらうことによって、テレビ観戦とは違った雰囲気を味わってもらい、スティックバルーン(細長い袋に空気を入れて作る、棒のような物)を応援グッズとして配り、応援時に叩いてもらうのだ。この市民へのスティックバルーン配布も面白いアイデアだと思う。

 

こうした市民無料招待の活動は、愛媛県の全20市町が持ち回りで行っているそうで、松山市1市が気を吐いて行っているわけではない。他府県や他市に興味を持たない自治体の多い中、周囲の市も当たり前のように活動をしている・・・、愛媛県のそんなところが好印象であった。

 

 

■市が音頭を取り、プロ選手と子ども達の交流を図る

子供

また、こんな面白い取り組みも印象に残った。愛媛FCの選手が、地元の小学校を訪れ、「サッカー先生」として授業を行ったり、「給食先生」として子ども達と昼食を共にするのだ。遠くからプロ選手が動く試合を観るのも良いが、自分のすぐ横に格好良いお兄さんが座り、気さくに話しかけてくれたら、子ども達の心には、深く強い印象を残し、きっと素晴らしい思い出になることだろう。

これはプロチームと自治体がタッグを組まなければ成立し得ない活動である。

 

 

■熱心な松山市職員

でも、何にもまして感じ入ったことは、年末ギリギリで、しかも17時直前に電話をかけたにもかかわらず、熱心に30分以上も取材に応じていただいた市職員の方である。最後には「こんな短い時間ではとても語りつくせない、もう少し早い時間に電話をかけてきてほしかった」とおっしゃられ、こんな熱心な市職員に支えられている2つのプロチームが少々羨ましくなった。

 

 

■具体的な支援(愛媛県の場合)

サッカー

では、愛媛県はどんな形で支援を行っているのだろうか。松山市と同じく、愛媛FCと愛媛マンダリンパイレーツを公式に応援している愛媛県に、電話取材を試みたところ、こちらも親切な回答を得ることができた。

まずは、愛媛県は2チームに対して各3,000万円の出資を行っている。愛媛県と松山市の出資金額を合わせると、両チームとも10%を上回るため、民間企業のプロチームとはいえ、行政の力強いプッシュがあることが分かる。

愛媛県内には20市町があるが、県主導のもと、20市町から市と町の職員を集め、そこに商工会議所等の他団体も加わって「愛媛県プロスポーツ地域振興協議会」という組織を立ち上げ、活発に愛媛FCと愛媛マンダリンパイレーツに対する支援活動を行っているのだ。つまりは、県と市の垣根をなくし、横のつながりで地域活性をしているのだ。

 

 

■自主企画イベント助成活動(愛媛県の具体的支援①)

交流サッカー

細かい活動のうち、まずひとつ目は、自主的に企画されたイベントに対して、一定金額を上限として、費用の補てんを行う助成金システムである。

例えば、熱心なサポーターが、チームの主催試合で自分達が企画したイベントを行ったとしよう。彼らはチームの観客動員数アップのために必死に人を集めてくれるだろうし、そこに助成金を出せば、大きな自治体と小さな一個人レベルで、協力関係を作ってチームを盛り上げることができるのだ。

実際には、あるサポーターがフラッグを購入し、試合会場に来た一般の観客にそのフラッグを振ってもらい、試合後に再び回収する、という自主企画イベントに対して助成金が下りたそうである。

 

 

■PRIDE OF 中四国(愛媛県の具体的支援②)

そしてふたつ目は、J2のガイナーレ鳥取、ファジアーノ岡山、徳島ヴォルティス、この3チームを相手に愛媛FCがアウェーで試合を行った場合には、県や市職員が、主催試合側のスタジアムに赴き、愛媛県のブースを出店して地元のアピールを行っている。

地元住民にはチームのファンになってもらい、アウェーの観客には、愛媛県に観光に来てもらうという地道な活動なのだ。

 

 

■最後に

松山市と愛媛県の取り組みを実際に調べてみて、普通なら縦割りの活動をしがちな県と各市町が、横一直線に並んで地域のプロチームをバックアップしていることに驚き、感心した。ここまで連動している県が他にあるのだろうか?

おそらく今後も色々な都道府県に取材をするたびに、初めて聞く取り組みがきっと出てくることだろう。自治体の方々には、他府県の活動などを広く知っていただき、少しでもご自分達の活動に役立てていただければと思う。

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