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【第3回】愛媛マンダリンパイレーツ/田室和紀「愛媛県と県内全市町が出資する県民球団。地域に支えられた球団経営の秘訣とは?」

この記事は1年以上前に掲載しましたので、情報が古い可能性がございます。

「愛媛県と県内全市町が出資する県民球団。地域に支えられた球団経営の秘訣とは?」
愛媛マンダリンパイレーツ 取締役 球団統括マネージャー 田室和紀
 

プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplusに所属する愛媛県の野球チーム『愛媛マンダリンパイレーツ』。愛媛県と県内全市町から出資を受ける日本初の県民球団として、地域に根づいた活動にも力を入れられています。今回は同球団の統括マネージャーとして活躍する田室和紀さんを訪ね、チーム力強化の秘訣や、県民球団として再出発した経緯などについてお話を伺いました。

 

 

– 現在、愛媛マンダリンパイレーツの球団統括マネージャーとして活躍されています。
田室さんが球団運営に携わるようになったきっかけを教えてください。

私が星企画という広告代理店の社員だったころ、西武ライオンズの選手だった石毛宏典さんが四国でプロ野球の独立リーグを立ち上げる話を耳にしたんです。子どもの頃から西武のファンだったので、「あの石毛さんが四国でリーグを立ち上げるなら、四国に拠点を置く代理店の人間として何かお手伝いができるかもしれない」と考え、石毛さんの事務所に電話を入れたのがすべての始まりですね。

 

四国アイランドリーグ plus創設の記者会見の日に、石毛さんに初めてお会いしました。そのとき、「社会人野球チームが減少するなか、本格的に野球を行う場所を失った若者にチャレンジの場を提供したい」というリーグ創設の思いを聞き、とても感銘を受けたんです。それ以降、広告代理店の人間として、リーグの広告物の制作やスポンサー集めのお手伝いなどをすることになりました。

 

転機はリーグ創設の2年目に訪れました。リーグ内の4球団すべてが大幅な赤字に陥ったんです。これを機に、一つのリーグが全球団を抱える経営体制を見直し、四国4県に1球団ずつ振り分けて再スタートを切ることになりました。そして愛媛県の球団経営を星企画が引き受けることになったんです。2006年3月に星企画の100パーセント出資子会社として愛媛マンダリンパイレーツ球団株式会社を設立、私は球団運営に携わることになりました。

 

 

– 四国アイランドリーグ plus創設から8年目の今年、愛媛マンダリンパイレーツが首位に
立っています(2012年10月2日現在)。チーム力を強化する秘訣はどこにあるのでしょうか?

 

今年は愛媛が首位を走っていますが、実は4球団の中でうちだけがまだ一度もリーグ優勝を経験していないんです。ファンのみなさんから「そろそろリーグ優勝を」という期待が高まり、2年ほど前から勝つための練習に力を入れるようになりました。

 

チーム力強化のポイントは、意識改革と練習(時間・内容・質)です。「一番練習しているのはプロ野球の1軍選手で、その次が2軍選手。独立リーグはそれ以下の選手が集まっているのだから、1・2軍選手よりも多く練習しなければプロにはなれない」――そうやって厳しい言葉をかけ、選手を鼓舞しているのです。

 

練習時間に関しては、4球団の中でうちが一番長いはずです。朝の9時半ごろから夕方の3時か4時までぶっ続けでやっていますから。さらに全体練習終了後も選手を個別でつかまえ、個人練習も欠かしません。

 

今年から、西武ライオンズや中日ドラゴンズで活躍した河原純一投手、千葉ロッテなどで活躍した愛媛出身の橋本将捕手が新たにチームに加わり、選手の意識がさらに変わり始めました。メディアが報じるプロ野球の世界は華やかですが、一流選手であってもナイター試合終了後も夜中まで練習をしているそうです。河原選手や橋本選手の口からプロの厳しさを聞くことで、選手の意識も変わり、モチベーションも上がっていますね。

 

 

– スタジアムの動員数を増やすためには「何より勝つことが大事」とよく耳にします。
チームの強さが動員数に結びついてきたでしょうか?

本来は動員数を勝敗にリンクさせないといけないと思うのですが…実際にはそうなっていないのが現状です。たとえば試合に勝っても、それを広報する手段が少ないんです。だから首位を走っていても、知っているのは既存のファンの方が中心で、潜在的なお客さまにまで伝えきれていない。告知方法や動員手段に課題を感じてきた1年です。

 

でも地道な努力を続けてきた自負はあるんです。「各地域のみなさんにより愛される球団」を目指し、2012年のシーズンは愛媛県の計13球場で試合を開催してきました。加えて幼稚園や小学校への訪問、野球教室の開催、企業行事やお祭りへの参加など、地域貢献活動も積極的に行ってきました。だから県民のみなさんの認知度はかなり高まっていると思うんです。

 

あとはその認知度をいかに動員数につなげるか、これが課題です。私たちの場合、県内の複数の球場で試合を行うため、「いつ」「どこで」「何時から」試合があるのかを告知しなければなりません。ただ、愛媛県は広いですから、ファンのみなさんは試合日程を把握しにくくなるんです。地域貢献という側面では球場を分散させるのは効果的ですが、告知の面では難しい…そんなジレンマを抱えています。

 

 

– 愛媛マンダリンパイレーツは2010年、行政から出資を受け、日本初の県民球団として
再出発されました。前例のない球団経営に舵を切られた経緯をお聞かせいただけますか?

野球の独立リーグだけでなく、プロスポーツ全般の経営環境が厳しさを増しています。当球団も例にもれず、星企画1社だけでは経営が立ち行かなくなり、愛媛県と県内全市町から出資をしていただくことになりました。さらに県内の多くの有志企業からも出資をしていただき、2010年3月31日付けで球団の運営会社名を「愛媛マンダリンパイレーツ球団」から「愛媛県民球団」に変更したのです。これまで当球団は星企画の子会社でしたが、いまでは資本金3億円、97社の株主がいる県民球団になりました。

 

県内全市町が地元球団に出資するのは日本で初めてだと思います。なぜそんなことが実現したのかというと、愛媛県の前知事や現知事、後援会長などの協力があったからこそです。先ほどもお話をしたように、私たちは地域貢献活動に力を入れてきました。こうした地道な活動に対して、前知事が「本来は行政がしなければならない地域活性化の活動を愛媛マンダリンパイレーツがやってくれている。だから県をあげて応援しよう」と各市長や町長に訴えてくださったんです。その結果、県議会や各市町議会それぞれにおいて、全会一致で出資が決まりました。

 

地域に支えられている球団だからこそ、リーグ優勝に輝いて少しでも恩返しができればと思っています。そしてチームの強化が動員数の確保にもつながるよう、引き続き努力を続けていきたいですね。

 

 


愛媛マンダリンパイレーツは、プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplusに所属する愛媛県の野球チームです。
詳しくはこちらからチェック!
http://www.m-pirates.jp/

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