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スポーツコラム

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【第9回】近鉄ライナーズ/木村雅裕「将来のラグビー選手を地元で育てたい」

「将来のラグビー選手を地元で育てたい」
近鉄ライナーズ GMアシスタント 木村雅裕
 

創部80年以上の歴史を誇り、ラグビーの聖地・近鉄花園ラグビー場をホームグラウンドに持つ「近鉄ライナーズ」。全国社会人大会や日本選手権など数々のタイトルを制覇し、現在はジャパンラグビートップリーグで活躍しています。今回、近畿日本鉄道に所属し、近鉄ライナーズのゼネラルマネージャーアシスタントを務める木村雅裕さんに、ラグビーの普及に向けた思いを伺いました。

 

 

– 2019年にラグビーのワールドカップが日本で開催されます。
それに向けた取り組みを伺う前に、まずラグビー界の現状を聞かせてもらえますか?

 

日本がバブル景気に沸いていた20年以上前、ラグビー人気が高まった時期があるんです。30~40代以上の人はご存知だと思いますが、山下真司が主役を務めた学園ドラマ「スクール☆ウォーズ」が人気の火付け役です。当時、ビッグゲームには、たくさんの人がスタジアムまでラグビー観戦に来てくれていましたが、それ以降、人気は徐々に下降線をたどり、ラグビー人口が減少を続けています。

 

ラグビー人口減少の背景には、チームを構成する難しさがあります。ラグビーは15人と多くの選手が必要で、それぞれポジションと役割が決まっています。しかも各ポジションは専門性が高く、容易に人を入れ替えることができません。その結果、中学や高校では人数がそろわず、単独でチームが編成できす、他校と合同チームを組んで試合に出ざるを得ない場合やクラブがなくなってしまう学校もあるんです。ここ近鉄花園ラグビー場がある大阪では小学校のラグビーが人気ですが、中学に上がるとラグビー部がないため、辞めてしまう子が多い。つまり子どもにとって、ラグビーを続けたくても続けられない環境があるんです。

 

 

– ではラグビーチームを持つ企業の運営面についてはどうですか?

 

企業スポーツという側面でみても、やはりラグビーチームを運営するのは大変ですね。というのも、15人制でポジション変更が難しいので、怪我などのリスクを考えると、選手だけで40~50人程度は抱える必要があります。それにスタッフも加えると、じつに70人ほどの大所帯になってくる。これらの運営この経費を一企業単体で負担することは大変です。

 

一般の人に試合にを観に来てもらうことも難しいですね。私がGMアシスタントを務める近鉄ライナーズは鉄道会社が運営しているので、試合のポスターを各駅に掲示するなどして、ラグビーの露出を増やしていますが、まだまだ課題が多いというのが正直なところです。

 

 

– なるほど…ラグビー界が抱える現状は厳しいようですね。
とはいえ2019年にはワールドカップ、さらに2016年には7人制ラグビーがオリンピックの正式種目になりました。
これらを起爆剤にラグビーの人気を再燃させたいところですね。

 

一企業単体としてできることは限られていますが、その中でも私たちは将来のラグビー選手の育成に力を入れています。たとえば毎年20~30回程度、「子どもラグビー教室」を開催しています。主に地域から要請を受け、当チームの選手を派遣するのです。何よりまず、大きな体の選手たちの姿を見て、子どもたちは憧れの眼差しで見つめていますよ。もちろん選手たちと一緒に楽しく、また真剣にラグビーの練習も行います。

 

近鉄ライナーズの選手たちも子どもの育成の重要性を認識し、本当に前向きに取り組んでくれているんです。だから直近のワールドカップやオリンピックを目指してというよりも、将来的に日本や世界で活躍するラグビー選手を育てたい、そんな気持ちが強いですね。

 

とりわけ大阪の中でも、ここ東大阪は小学生のラグビー人気が高い地域です。この地でラグビーに触れて育った子どもたちが、やがて地元に帰ってきてプレーしてほしい。こうしてラグビー界全体が子どもたちへの普及活動に力を入れることで、競技人口の増加にも貢献できると思っています。

 

また、ラグビーの入門的競技のタグラグビーが小学校の指導要領に入りました。私は、ラグビーは子どもの教育にいいスポーツだと思っています。運動不足で力が有り余り、ストレスを抱える子どもがたくさんいます。そんな子どもたちにはどんどんラグビーをやらせたらいい。ラグビーをすれば力を思う存分発散できますし、チームスポーツの中で責任感や自己犠牲といった人間教育もできるでしょう。現在、タグラグビーの指導者が不足している状況ですから、私たちが指導者の育成にも貢献できればと考えています。

 

 

 

– 木村さんご自身もラグビーをされていたと伺いました。ラグビーの魅力って何でしょう。

 

中学から高校、大学、社会人と長くラグビーに打ち込んできました。ラグビーは観ても楽しいですが、実際にやってみると本当に楽しいスポーツなんです。60歳を過ぎてもラグビーを楽しむ人はたくさんいます。ラグビーは怪我がつきものと思われがちですが、基本的には「ボールを持って走れ」「ボールを持った人をつかまえろ」といったシンプルなスポーツ。だからぜひ一人でも多くの人に経験してもらいたいですね。

 

 

– では最後に木村さんご自身の夢をお聞かせいただけますか。

 

それはやっぱり、たくさんの人に試合に観にきてもらうことですね。じつは私の母校の中学校はラグビー部がなくなり、高校も合同チームで大会に出場しています。私と同じように、寂しい思いをしている同年代のラグビー経験者は多いです。

 

だからこそ、とくに子どもたちにラグビーの試合に観に来てもらい、迫力ある選手に憧れを抱き、「自分も将来はラグビー選手になりたい!」と夢を持ってもらいたい。そのためにも私たちはラグビーの普及活動に力を入れ、子どもたちがラグビーを続けられる環境の整備に少しでも貢献できればと考えています。

 

 

 

 


近畿日本鉄道の実業団ラグビーチームである。ホームグラウンドは近鉄花園ラグビー場。愛称の「ライナーズ」は近鉄特急「アーバンライナー」に由来し、ラグビーでのスピード感と力強さを表現している。
詳しくはこちらからチェック!
http://www.kintetsu.co.jp/rugby/

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