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2013/12/13 コラム
第29回 【北海道】最初のプロチームを応援しよう!!コンサドーレ札幌への愛
■北海道の位置と周辺環境
今回のスポーツマネイジメントコラムは、日本の最北端、北海道について取り上げてみたい。北海道の位置については、認知度100%と思われるため説明はあえて省くが、日本列島の中では本州に次いで第2位の面積の島(77,984km2)で、九州と四国の2島を合わせた面積(55,050km2)よりも広く、また、東北6県を合わせた面積(66,889km2)よりも広い。
かつて蝦夷地と呼ばれたこの土地には、知床世界自然遺産や、ラムサール条約(水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されている釧路湿原など、豊かな自然が数多く残っている。
気候はほぼ全域が亜寒帯湿潤気候であり、気温と湿度が低く、四季がはっきりしていて夏と冬の気温差が大きいのが特徴である。北海道の大部分は豪雪地帯で、一部は特別豪雪地帯となっている。
■北海道の人口とスポーツの分布
北海道の人口は約544万人(2013年3月1日現在、北海道HPより)、そのうち15歳未満人口が640,569人(11.3%)、15歳以上65歳未満人口が3,372,995人(62.2%)、65歳以上人口が1,430,743人(26.5%)世帯数は2,692,051世帯である。
さすがに広大きな北海道、数字の桁の違いに少々驚いた。
北海道の人々が自ら好んで行うスポーツとしては、第1位のウォーキング・軽い体操、第2位のつり、第3位にスキー・スノーボード、第4位は器具を使ったトレーニング、第5位に水泳となっている。
■北海道を本拠地とする主なスポーツチーム
北海道に本拠地を置くスポーツチームを挙げてみた。
・北海道日本ハムファイターズ (札幌市 野球)
・コンサドーレ札幌 (札幌市 サッカーJ2)
・レバンガ北海道 (札幌市 NBLバスケットボール)
・ノルディーア北海道 (札幌市 北海道女子サッカーリーグ)
・エスポラーダ北海道 (札幌市 フットサル)
・日本製紙クレインズ(釧路市 アイスホッケー)
・王子イーグルス(苫小牧市 アイスホッケー)
私のような関西の人間からすると、北海道のスポーツチームといえば、野球の日本ハムファイターズを真っ先に思い浮かべるが、実は北海道で誕生した最初のプロスポーツチームはコンサドーレ札幌である(1996年4月設立)。そのせいか、北海道、札幌市、そして体育協会、どの機関に話を聞いてみても、真っ先に「コンサドーレ札幌」の名前が挙がっていたことが非常に印象的で、北海道における記念すべき最初のプロチームが、しっかり地元に根付いて愛されている様子がうかがえたのだ。
■札幌市による公式支援チームは3チーム
まず札幌市に電話をかけ、プロスポーツチームに対する支援について質問してみた。前回、秋田県に電話取材した時と同様、非常に丁寧かつ、大変オープンな回答が返ってきた。札幌市では、以下のプロスポーツチーム、3チームを公式に支援しているとのことであった。
・日本ハムファイターズ 野球
・コンサドーレ札幌 (サッカーJ2)
・レバンガ北海道 (NBLバスケットボール)
ただし、市が予算を組んでお金を出しているのは、コンサドーレ札幌の下部組織に対してだけ。他の2チームには補助金はゼロなのである。
「コンサドーレ札幌はあくまでも民間企業で、興行収入で会社を運営している以上、市から補助金を拠出したり試合のチケットを買い上げる、といったような直接的な税金の投下は行っていません。ただし、子ども達への支援を行うという意味で、コンサドーレ札幌の下部組織であるU-18,U-15,U-12への積極的な支援はしております。」とのことで、7,000万円もの金額を予算計上しているそうなのである。
またしてもリアルかつ巨額な数字に驚き、金額を公にしても問題ないか?と重ねて質問したところ、「もともと7,000万円の予算はHP上で公開されているし、興業的なものに対して税金を投下しているわけではないので、公にすることに問題はありません。」と明快な回答であった。
■具体的な支援(北海道の場合)
では、北海道はどんな支援を行っているのだろうか。道もコンサドーレ札幌には特別な想いがあるのか・・・。平成14年(2002年)度、コンサドーレ札幌に5億円の貸付を行っていて、現在はコンサドーレ札幌から毎年3,500万円の返済を受けている。道からの補助金拠出や人の派遣は行っていないが、ここでもコンサドーレ札幌に対する愛情を感じ取ることとなった。
■違った競技のチーム同士で観客動員数を増やす努力を行う
他にも興味深い話を聞くことができたので、ご紹介しよう。これは自治体ではなく、プロチーム同志の活動なのだが、コンサドーレ札幌(サッカー)とエスポラーダ北海道(フットサル)の両チームは、双方の主催試合チケットをスマートフォンからセット購入できる試みを行っているのだ。
サッカーとフットサル、屋外競技と屋内競技の違いはあれど、共通項の多い、このふたつのスポーツに興味を持ってもらい、チーム同志で競技者人口のすそ野を広げる協力体制を取っている。お互いが観客を食い合うのではなく、両方の試合を見に来てもらう発想の転換は実に面白い。
■オリンピックイヤーと北海道
来年はオリンピックイヤーである。2014年2月7日(金)~2月23日(日)の17日間、ロシアソチオリンピックが開催されるということもあり、普段はあまり脚光を浴びることのないスキーやカーリング、アイスホッケー等のオリンピック種目に、より多くのスポットライトが当たるのが今からの楽しみである。
特にアイスホッケー男子チームは、日本選抜21名のうち、北海道出身の選手が18名を占めるという。雪国ならではのスポーツからも、当分、目が離せなさそうである。